Beauty&Health

TIPS

TIPS一覧へ

『匂いと臭い』体臭と汗について

蒸し暑い梅雨どきから夏のかけて不快さを一層募らせるのは汗でしょう。

どんなに汗をかいても心地よい匂いであれば問題はありませんが不快なクサイ臭いに変化する汗は公衆の迷惑になります。混雑した電車やバスの中で冷房の風に乗って車内全体に漂う臭い。
鼻が曲がるほど不快で朝からうんざりされた経験をお持ちではありませんか?

汗には匂わない汗と臭う汗があることを汗の作用や役割を知り、付き合いながら少しでも快適に夏を過ごす対策に役立てて下さい。

汗は血液の水分

汗は血液で造られ体温や気温の上昇を脳(視床下部・他)が感知すると血液中にある水分を汗腺(エクリン腺)(アポクリン腺)に送り込み表皮表面へ排出させます。

サッカー観戦で手に汗握る、痛くて脂汗が出た、恥ずかしくて冷や汗をかく、蒸し暑くて寝汗をかく・・・など
汗にたとえ話があるように私達の日常の生活や健康に深く関係しています。その健康維持のために働く2つの作用をご紹介します。

『感知性発汗』と『不感知性発汗』

まず1つは汗をかいていると感じる発汗を『感知性発汗』といいスポーツや気温の上昇で体温が上がると全身にある汗腺から汗を出し皮膚表面で蒸発する時、気化熱を奪う性質から体温を平熱に保つ作用をしています。もう1つは汗が水蒸気となって蒸発し発汗している事を全く感じない『不感知性発汗』があります。

体温調整作用はしませんが、いつでも安静中でも発汗して皮膚表面から絶えず蒸発しています。

成人の発汗量

平均の発汗量は1日約900㏄~1リットル。蒸し暑い夏期には1.5リットル位汗を排出する場合もあり1日の尿量とほぼ同じ位になります。汗や尿の役割は体内の毒素、老廃物やバクテリア菌を外へ排出するデトックス作用を繰り返しているのです。汗の働きってすごいでしょう。なくてはならない器官なんです。

臭う・臭わない汗の腺

皮脂が出るところを皮脂腺といいますが汗の腺には『エクリン腺とアポクリン腺』があり2つの汗腺には重要な役割の他に違った性質があり特にアポクリン腺は体臭に直接関係しています。

臭わない汗の腺エクリン腺

エクリン腺は全身に分布し個人差や人種、移住地の気温や風土によっても違いますが平均約300万個の汗腺の穴があります。肉眼では見えませんが手の平、足の裏に1番多く存在しています。体温調節のためにかく汗。

緊張や驚いた時に出る冷や汗。辛い物を食べた時にかく汗などがあります。エクリン腺から分泌する汗は無臭透明の液体で99%は水分1%に塩化ナトリウムや尿素、尿酸、脂肪、アミノ酸を含みPH3.5~6.0の弱酸性です。発汗量の多い夏は皮脂表面に汗が長く溜まると空気に触れ次第にアルカリ性に傾き、皮膚の抵抗力を低下させ、ただれやかぶれや肌荒れにつながりますので要注意です。

臭いの原因になる汗の腺アポクリン腺

アポクリン腺は毛根を包んでいる毛包の部分開口し、毛をつたわって皮脂表面に分泌しています。脇の下、乳首へその周辺、耳穴の中、外陰部、肛門周辺などの限られた部位にあります。

脇の下などは肉眼で見えるほど開口が大きく生まれながらあるエクリン腺と違いアポクリン腺は思春期に発達し壮年期後半まで活動しています。本来人間も動物と同じように異性を引き付ける性的アピールの証と推測され、人種差もあり黒人や白人系に多く、日本人は少ないといわれています。アポクリン腺から分泌する汗は濁った水分で脂肪、タンパク質、鉄分、尿素、アンモニアが含まれ無菌状態であれば無臭。

ところが皮膚に存在する常在菌(バクテリア)によって分解されると、あの強い悪臭が発生してワキガ臭となります。また、蛍光物質や色素のも含まれていて表面で乾くとニカワ状となり下着やシャツの黄ばみの原因となり洗濯をしても黄ばみも臭いも取れにくくなります。常在菌は衣類、全身の皮膚、頭皮、頭毛、体毛などが皮脂や垢で汚れていたり、高温多湿の環境ほど増殖し悪臭に変わります。

さらにアポクリン腺に皮脂腺から分泌された皮脂が含まれると鉄イオンや空気の作用で酸化され鼻をつくツーンとする酸化臭が発生し、様々な臭いが融合することで体臭やワキガ体臭の原因となるのです。

自分の体臭はわかりにくいもの

吐く息、髪のにおい、汗のにおいが混ざり体臭となります。

自分の体臭はわかりにくいものですが体質的に人により汗をかく多汗症の方や遺伝性の高いワキガ体質の方は積極的な体臭防止対策が必要です。

加齢臭は男性の場合40歳以後の中高年特有の体臭で女性の場合は閉経後に傾向がみられます。

脂臭さ、チーズ、古本のような臭いがするといわれ特に男性は男性ホルモンが加齢臭の元となる皮脂を大量に分泌させるため臭いの元となるノネナールが大量に発生し老人臭ともいわれています。 《参考文献:フリー百科事典。みやけ内科》

手のイメージ